犬のこと ー後輩犬ぽんー

うちには3年前から

かりんの他に、もう一匹犬がいる。

ぽんだ。

カニンヘンダックス、メス、3歳。

 

犬を飼うのは一匹で十分。

二匹なんて、面倒見られないし、と

ずっと思っていた。

 

 

ぽんを迎えるきっかけになったのは、

先住犬、かりんの病気。

かりんが病気になって、私がすごく落ち込んで、

それを見ていた夫が

私がペットロスにならないように

二匹目を迎えたらどうかと提案してきた。

犬はそれほど好きじゃないと聞いていたから、びっくりした。

え!?いいの!?

 

かりんの病気は手術をして、すっかり治った。

仲間が増えることは、かりんにとっては嬉しいことなのだろうか…。

たくさん悩んだ。たくさん調べた。

そして決めた。

「私、多頭飼いになる!」

 

ブリーダーを探して、子犬(ぽん)を見に行った。

4匹兄弟の、唯一の女の子。

甘えん坊な性格だと、ブリーダーさんは言っていた。

そして数日後、夫とかりんと車で、子犬を迎えに行った。

 

かりんは子犬と初対面。

子犬はしっぽをブンブン、かりんはたじたじ。

この先、どうなるか不安だったけど、

数日でかりんは子犬を受け入れて、一緒に遊ぶようになった。

「ぽん」という名前をつけた。

 

二匹飼ってみると、性格の違いがよくわかる。

とくに先住犬の性格に改めて気づくことができる。

かりんは控えめで頭がいいけど、そのぶん頑固。

ぽんはちょっと抜けてるけど、素直。

かりんは何かいけないものを咥えたら「ダメ」といっても、なにがなんでも口を開けようとしないけど、

ぽんはいけないものを食べた時「ダメ」というと、ちゃんと口から出す。

舌で「ペッペッ」と外に押し出す。

 

 

多頭飼いなんて、私にはあり得ないだろうと思っていたけど、あり得た。

この世にあり得ないことなんて、ないのだろう。

二匹目を迎えるのは、先住犬がかわいそうではないかと

私もずっと思っていた。

けど実際にぽんがうちに来てから、

かりんは元気に、楽しそうになった。

そして飼い主の気持ちも、一匹に向けてより、二匹に向けた愛情の方が

いつかその日が来た時に、悲しい気持ちが少しは和らげることができるのではと思っている。

 

先住犬と後輩犬の相性はとても重要だし、

飼ってみないとわからないからなんとも言い難いけれど、

私は二匹飼って、本当によかった。

狂犬病代やフィラリア代も倍かかるし、

ペットシーツを交換する手間も倍になるけど、

二匹いれば2倍の幸せを感じられる、というのは本当。

いや、2倍よりも上かも。

 

二匹揃って窓の外を見たり

同じ格好でくっついて寝ていたり。

心にじわ〜っと多くの幸せが、来る。